無駄口を叩いて渡る世間に鬼瓦

映画について、深読みしたり邪推したり。時折、映画以外の話をすることもあります。

ウォーハンマーRPGルールブック を購入しました

ウォーハンマーFRPの第4版を購入してしまったのである。

今まさしく読んでおりますが、当然ながら版上げに伴って様々なルールが変わっております。真っ先に目に付くのはエルフ周りのルールの改定であります。2版の頃はフレーバー程度の扱いでGMの判断で決まっていたエルフの不利な特徴が、4版ではルール上明示されています。加えて、これまた2版の頃は具体的なルールとして定められていなかった、“エルフの魔術師は人間には到達できないほど魔術に熟達する”という背景もルール上の根拠があるものになっていました。

武器に関するルールも様変わりしております。中でもフェンシング用の刺突武器がえらく強くなったなあと思わされるわけであります。以前のレイピアやシミターは、武器特性「素早い」を持つものの、同じ特性を持つ武器を選ぶなら槍の方が安価で、なおかつ槍ならばフェンシング用武器類の訓練を受けていない者にも使える、というわざわざ使うメリットのない装備品でした。一方、4版では槍には「素早い」特性が付きません。槍には別の特性が与えられています。そして槍の持つ武器特性は、フェンシング武器にもあります。よって、槍とフェンシング武器の優位が逆転しているのであります。

武器と言えば、2版では冒険開始時に「片手用武器」を得ていましたが、混沌の嵐が起きる前の時代を舞台にしている4版ではそんな物騒な得物は初期キャラクターには与えられません。兵士や剣客などしかるべき理由のないキャラクターは通常「ダガー」を持った状態で旅に出ます。

モンスターはどうでしょう、大分表記が簡略化されているように感じます。それでも、そのモンスターの種族全体が一般的に持っている特徴と、より強化したいときのために持たせる追加の特徴の候補が記載されていて、2版の基本ルールブックより自由度は高そうです。ワイバーンやドラゴン、マンティコアやジャバースライス(余りにおぞましい姿をしているので、目撃しただけで軍の部隊が壊滅したという設定のある魔獣)のような危険極まりない怪物まで載っています。一方で、ケイオスドワーフダークエルフらのデータは掲載されていませんので、今後の追加資料に期待です。ヴァンパイアとその変種であるヴァルグールフは載っていたものの、ワイトやミイラのデータは掲載されていませんでした、これも今後の追加死霊に期待しましょう。

レッサー・ディーモンはコーンとスラーネッシュの2種類。ティーンチのレッサー・ディーモンのデータは「ウォーハンマーRPGルールブック」には有りませんでしたが、公式シナリオに載っていることを確認しました。疫病の神ナーグルの下僕プレーグベアラーが載っていないのは残念ですが心配はご無用。4版ではオークの攻撃であれゴブリンの攻撃であれ、あるいはスケルトンでもかまいませんが、彼らの攻撃によって負傷したキャラクターは傷口が化膿する可能性があります。ビーストマンやスケイブンにいたっては、伝染性の疫病に罹かっている個体をGM判断で用意できます。どうです?

ルールブックの端々にあるコラムにも、劇作家デトレフ・ジールックの言葉が載っていたり、ウォーハンマーの小説で度々主役を務めたゴトレック・ガーニソン(2版邦訳ではグルニソンと表記)のコメントや、油で髭を固めたベルギー訛りのブレトニア人で自称世界一の探偵アルフォンス・エルキュール・ド・ガスコーニュの自己紹介等々、過去作品の登場人物の名前があちこちに登場しています。

後半に載っているエンパイアの年表で、大魔法使いコンスタント・ドラッケンフェルズの名前が何度も、それこそエンパイア建国当初から何度も、登場しているのが気になります。2版の頃にはほとんど名前が出ない人物だったので。そういえば、「混沌の嵐」の後にドラッケンフェルズは死霊術師ナガッs・・・まあ、その話は4版の時代を基準にすると10年は未来の話になるので今は止めておきましょう。

未来の話と言えば、今後の4版の展開はどうなるのだろうかと気になって、キュービクル7エンターテイメントのサイトを読んでみたわけです。
で、原語版の発売予定や発売済みの資料の掲載内容について幾つか判ったことがあるわけです。

2020年4月30日の記事に今後の追加データの展開についてまとまった記述がありました。それによりますと、
・「Power behind the Throne」なんと訳したもんですかね、「玉座の影の権力」ですかね。もっと適した言い回しはありそうですが。「内なる敵」キャンペーン第三章だそうです。以降の各書籍の題名につきましては、手前で判別つく限り訳してみます。
・「Middenheim: City of the White Wolf(ミドンハイム:白狼の都市)」エンパイアの大都市ミドンハイムについての追加資料集。おそらく2版時代の「ミドンハイムの灰燼」に相当するものでしょう。
・「The Hornd Rat(角在りし鼠)」。そう、スケイブンです。英語の記事をみるに「内なる敵」キャンペーンに含まれるシナリオ集のようです。「スケイブンの書」のようなデータ集ではないにしても、スケイブンに関する追加データはあることでしょう。
・「Altdorf(アルトドルフ)」仮題のようです。アルトドルフの重要な地区や重要人物についてのデータ集。おそらく「アルトドルフの尖塔」に相当するものと考えられます。
・「Empire Ruins」訳すなら「エンパイア荒廃す」でしょうか。「内なる敵」キャンペーンのシナリオ集、という以上の情報はつかめません。
・「Archives of The Empire Vol.Ⅰ(帝国公文書集 巻之壱)」エンパイア各地の情報を集めた書籍のようです。記事によるとハーフリングやドワーフ、ローレローンの森といった、異種族についての内容が含まれているようです。加えて、集団戦闘ルールについて掲載されるとの話。
・「Archives of The Empire Vol.Ⅱ(帝国公文書集 巻之弐)」どうやらオウガについての内容があり。ひょっとしてPCにオウガを選べると期待して良いのでしょうか。加えてマジックアイテムの紹介もある模様。
・「Career Compendium(キャリア全集)」2版時代には邦訳が出なかった「Career Compendium」。様々な追加資料でバラバラに扱われていたキャリアをまとめた書籍「Career Compendium」。4版では邦訳がでるのでしょうか「Career Compendium」。錬金術師や理容外科医といった追加データ、そして既にデータのある職業についての選択ルールも掲載されるようです。
・「The Imperial Zoo(帝立動物園)」オールド・ワールド全土の獣やモンスターの生態を解説する追加資料。つまり「オールド・ワールドの生物誌」に相当するものと予想できます。
・「Monuments of the Empire(エンパイアの建造物)」電子データのみ発行。進行中の冒険に挿入できる名所旧跡とシナリオだそうです。
・「The Winds of Magic(魔力の風)」。2版の「魔術の書」に相当すると考えて良いでしょう。エルフの至高魔術やドワーフのルーンについての記述があるとの記事。人間の魔術師についても八種類すべてに追加の内容有り。もちろん追加の呪文も。加えて独自の呪文データを作成する方法について言及がある模様。

すでに発売済みの追加資料では、
・「Rough Nights & Hard Days」「日夜是騒乱」とでも訳しましょうか。「三枚羽根亭でのひどい一夜」を含むシナリオ集です。1版で登場し2版で消滅していたノームをPCキャラクターとして作成するルールが掲載されている模様です。どうやら、英語版は印刷物が売り切れで、PDFでの販売のようです。
・「Empire in Shadows(エンパイアを覆う影)」「内なる敵」キャンペーンの第一章。ベーゲンハーフェンの街についてのデータあり。「内なる敵」キャンペーンシナリオ集は、シナリオ部分と追加データが分冊になっており、追加データ集は「Empire in Shadows Companion」に分かれているようです。様々な追加情報があり、その中には25の混沌魔術とティーンチ教団導師のキャリアが含まれているとのこと。
・「Buildings of the Reikland(ライクランドの建築物)」
・「Monuments of the Reikland(ライクランドの記念碑)」
 これは前述の「エンパイアの建造物」ですね。一方ではライクランド各地の建物、宿屋に酒場、関所や見張り塔、オルデンハラー一族の倉庫といったものが紹介されているとのこと。もう一方は、より名所案内的な内容になると言えるでしょう。市長の彫像やゴブリンとの戦いの追悼記念碑、狂気のエンジニアが建てた塔などが紹介されています。

無料配布されているPDF
・「4th Edition Conversion Rules(4版向け変換ルール集)」1版と2版のキャラクターの能力値とキャリアを4版に対応させるにはどのように扱うか、対応表の形で示したもの。残念ながら、ドワーフ篆刻鍛冶やブレトニアの聖杯騎士、あるいはケイオスナイトやウォーロック・エンジニアといったキャリアは変換方法が載っていませんでした。2版の基本ルールに載っているキャリアの範囲くらいがカバーされているものだと想像して頂ければよろしいかと。
・「Adventure Afoot In the Reikland(ライクランド冒険のしおり)」シナリオフック集。山地、平野、川、都市など様々なシチュエーションでのシナリオのアイデア集。
・「If Looks Could Kill」定型句なのでどう訳したものか。「恐怖の形相」でしょうか。28ページのシナリオ。
・「Night of the Blood(流血の夜)」既に邦訳版有り。10ページのシナリオ。

ざっとこんなもんだ!

追伸
2020年10月7日の記事によれば「Middenheim:City of the White Wolf」原語版のPDFお披露目は2020年第4四半期になるそうです。