無駄口を叩いて渡る世間に鬼瓦

映画について、深読みしたり邪推したり。時折、映画以外の話をすることもあります。

Enemy in Shadows COMPANION:ウォーハンマーRPG4版

購入してしまったのであります。そう、ウォーハンマーFRP第4版の追加データが載っているサプリ『Enemy in Shadows COMPANION』であります。予想していた内容と違って、それも良い意味で違っていまして、色々と不意をつかれました。

真っ先に驚かされたのは・・・タイトルですかね、やはり。『Empire in Shadows(エンパイア・イン・シャドウズ:帝国を覆う影)』ではなく『Enemy in Shadows(エネミー・イン・シャドウズ:暗がりに潜みし敵)』だったのです。購入するまで気が付かずにいたというのも大概ですが、まあ最初に驚いたことなので挙げておきます。

冗談はともかく、実際に読むまでは『Enemy in Shadows』に登場するキャラクターの背景やシナリオの進め方、追加のシナリオフックなどを紹介する副読本かと思っていたのです。もちろん、登場する固有名詞の由来や、シナリオの展開の元ネタになった映画やドラマの紹介もありますが、それらの分量は全体の本当にごく一部でした。

どんな内容が載っているか、順を追ってざっと紹介してみましょう。
最初にあるのは元ネタ紹介や登場人物の設定に関するイースターエッグのコーナー、それが終わるとエンパイアの支配者についての記事が始まります。その次に続くのがエンパイアの社会構造についての記述で、有力貴族から始まり主なギルドそして領民たちについて順に述べて、社会構造の概要を紹介しています。各領邦の選帝侯についての話題は基本ルールブックの記述と一部重複していますが、内容はより詳細。例えば家督を継いだ年齢と現在の年齢、後継者と目される人物など興味深い追加情報が掲載されています。

社会構造についての記事が終わると、次はエンパイア各地を結ぶ街道についての記事が始まります。

この本は街道旅周りのルールにとても力を入れており、その記述は複数の章に渡ってそれぞれ異なる話題と切り口から語られています。領邦を旅するときのお役立ち情報(と、追加データ)が満載で、街道旅で使う追加の装備品が各種掲載されています。乗り物や乗用動物、馬車宿そして主要な駅馬車会社と街道の種類についてなど多数。街道旅のルールに限って言えば、2版における『オールド・ワールドの武器庫』もしくは『シグマーの継承者』に相当する役割を果たしてくれることでしょう。当然、旅の楽しみ遭遇表も掲載されています。

これらのデータがそろえば「輿で移動する巡回判事」「ポニーに乗ったハーフリング」を登場させることもできるようになります。

街道周りのルール紹介が終わると次はNPCデータ集。シナリオに登場させるための背景設定を与えられたベーゲンハーフェンの住民、様々な階層のNPCがデータ付きで、その数15人以上。シナリオフックも幾つか。

その次の章に入りますと、いよいよ手前がこの本を購入した動機に当たります。ウォーハンマーの花形、混沌教団です。

この章は想像以上に追加データが充実していました。さすがに『堕落の書』のようなd1000混沌変異表なんてトチ狂ったものはありませんし、混沌の魔将を目指すキャリアも扱われていませんが、「Chaos Cult Magus(混沌教団導師)」のキャリアは載っています。4版では、教団導師のさらに上のキャリアもあり、追加の異能や暗黒の魔術も各種取りそろえてございます。

さらに、追加の混沌変異表も登場。この新たな表は混沌の四大神それぞれに対応しています。

アナタが邪悪な混沌教団の幹部だとして、魔狩人の一団が隠れ家に踏み込んできたという最悪の事態を想像してみてください。手下は全滅、建物はすっかり包囲されている。武装した兵士たちが階段を駆け上がってくる騒がしい足音が聞こえてくる。まさにそんなとき!書棚に並ぶ魔導書の中からこの本を取り出し、こう宣言するのです。

「ねえGM、66ページにある混沌変異表を使ってみたいんだけど」

ワープストーンを握りしめ変化の神ティーンチに祈りを捧げ、覚悟を決めてd100をロール。結果は「鰓」、水中で呼吸できるようになる。

まだ奥の手が残されています。混沌教団導師の異能をもう一度見直しましょう。高位の教団員には新異能《Disciple of Change(変化の信奉者)》があるのです。そう、混沌変異表を2回ロールし、どちらかを選ぶことができる!2版における《堕落制御》相当の異能です。

2回目のロールの結果は「翼」、素晴らしい!ティーンチは他の三柱の兄弟神より高い確率で翼の変異を授けてくださるのです。

窓を蹴破り翼を広げ、変化神の勝利を叫びながら大空へとまさに飛び立っ

屋敷を包囲していた魔狩人隊の小銃が一斉に火を噴いた。

 


追加のディーモンとか「隠された宝石にまつわる諸事情」とか、他にもまだ紹介していない記事が色々残っているのですが…。


えーと、運命点残ってます?