無駄口を叩いて渡る世間に鬼瓦

映画について、深読みしたり邪推したり。時折、映画以外の話をすることもあります。

The Horned Rat:ウォーハンマーRPG4版

ケイブンがせめてきたぞっ
冗談はともかく、5月19日のキュービクル7エンターテイメントの記事によると、『The Horned Rat COMPANION(角在りし鼠 冒険の手引き)』PDF販売開始まで数週間となっていました。ところが、最近更新された商品説明のページでは“PDFは2021年第3四半期の上旬予定”となっておりました。何と申しますか手前大いに意気消沈しております。皆様いかがお過ごしでしょうか。

手前はと申しますと、少しでも気を落ち着けるため最新の第四版シナリオ『The Horned Rat』を読み始めたのであります。

『The Horned Rat』は全5巻からなるキャンペーンシナリオ『Enemy Within(内なる敵)』の4冊目となります。商品説明のページによりますと、“登場人物達はこれまでの冒険で遭遇したことのない、遙かに巨大な脅威まで導かれることだろう”とまあ、大体そのようなことが書かれております。

原語版ではこれまで、『Ubersreik Adventures(ユーベルスライクの冒険)』シリーズや『Rough Nights and Hard Days(日夜是騒乱)』、もちろん『Enemy within』キャンペーンなど複数のシナリオ集が発行されています。PDFのみ販売されている単発シナリオやシナリオフック集も複数ございます。

これまでにもシナリオの展開によってはエンパイアの大都市が丸ごと壊滅する(で、街がどのように破壊されていくかシナリオに細かく書かれている)というものもありました。これより規模が大きい冒険はそうはありますまいと、手前は頭から決めてかかって読み進めていたのであります。

ところが何とまあ『The Horned Rat』では、カール・ストロンバーグかヒューゴ・ドラックスのような、滅多矢鱈とスケールのでかい輩が登場するのです。近年すっかり珍しくなってしまったタイプの悪役です。これまでの悪人達の、暗黒神と契約して大金持ちになるとか、宮廷で権力を握るだのといった野望が小さく見えてきます。

例示した悪役の名前から察した方もいらっしゃるかもしれません。『The Horned Rat』は、世界的に有名なある映画シリーズを元ネタにしているのです。登場する固有名詞にくれぐれも注意してくださいませ。

ウォーハンマーRPG』におけるプレイヤーキャラクターは市井の人々で、ルールブックに載っているような歴史的大事件に巻き込まれたならば、何とか生き延びて逃げ帰るのがせいぜい・・・、だと思っていました。

今回発売された『The Horned Rat』は『ウォーハンマーRPG』でも壮大なスケールの冒険が出来るのだと、その事を教えてくれたのです。

さて、シナリオ以外に記載されている内容といたしましては、
・スケイブンの襲撃部隊を登場させるときに使える基本的な能力値
・スケイブンの拠点に忍び込んだときの警戒状況と遭遇の判定
・新たなNPCのデータ、これまで登場したNPCの何人かのデータ再掲も有り
ワープストーン兵器に関する幾つかのデータ

などといったところです。特に最後の一つは有難いですね。ミドンハイムやアルトドルフの追加資料に掲載されているスケイブンがデータの判らないアイテムを所持していましたが、今回その問題が解決したわけです。

他にも興味を引いたものを挙げると致しますと、NPCであればキスレヴ騎兵の隊長がデータ化されていること、でしょうね。キャリアとしての設定はされていませんけれども、まあエンパイアの銃騎兵とは若干能力が異なるなと、手前そのように思ったわけです。

さらに、これまでのサプリメントではスケイブンの四大氏族のうち三氏族しか幹部級の人材が登場しておりませんでしたが、今回ついにエシン族の暗殺頭領の一人が姿を現しています。あまり設定は掘り下げられていないものの、スケイブンに忠誠を誓う秘密教団の構成員も扱われていました。

注目すべき新アイテムはやはり何と言ってもスケイブンの妖術駆動削岩機(ワープ・グラインダー)。硬い岩盤もあっという間に砕いてしまう驚きの性能で、使用するだけで堕落点がみるみる溜まっていくステキな逸品です。

発売予定の商品説明のページの話題に戻りますと、「黄色い牙」教団の設定、スケイブンの専用異能、角在りし鼠の魔術、スケイブンの魔導技術に関する詳しいルール、等々は『The Horned Rat COMPANION』に掲載される予定ということです。