無駄口を叩いて渡る世間に鬼瓦

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The Warband of Bayl of many eyes:ウォーハンマーRPG4版

今回の追加設定資料はナーグルですよ皆さん!
ウォーハンマーRPGで主な悪役となる四大暗黒神の一柱、死と疫病の邪神ナーグル。その信奉者を強化する為の追加データが『The Warband of Bayl of many eyes(多目のバイルの戦集団)』に掲載されているのでございます。

四大神のうち三柱につきましては、これまで幾つかの資料で設定が明かされております。

策略と魔術を司る変化の神ティーンチは、『Enemy in Shadows COMPANION(潜みし敵 冒険の手引き)』『Death on the Reik COMPANION(ライク河上に死す 冒険の手引き)』で追加キャリアや追加呪文、さらにシナリオに登場する組織の設定が示されています。

四大神の末弟で欲望と退廃をその支配領域とするスラーネッシュ神については『Power behind the Throne COMPANION(玉座の陰の権力者 冒険の手引き)』に追加呪文と組織の例が載ってございます。残念なことに追加キャリアはございませんが、スラーネッシュの信奉者NPCに付け加える異能や技能が紹介されておりますので、入団をご希望の方はそちらをご利用くださいませ。

戦乱と憤怒を象徴するコーン神の聖地と追加クリーチャー特徴は、つい先頃発表された『Sea of Claws(鉤爪湾)』に示されてございます。『Sea of Claws』には鉤爪湾周辺の地図もございますので、大まかに聖地の場所は把握できるものと存じます。

この度『The Warband of Bayl of many eyes』にて、暗黒神ナーグルを信奉する一団についての設定、及びナーグルの信奉者を強化する為の追加データが明かされたのでございます。

これまでの追加サプリで登場した悪役の組織は、裏から陰謀の糸を引いてエンパイアを転覆させようと試みる秘密結社が中心となっておりました。一方、今回の追加資料で扱われるのは、より直接的かつ単純明快な目的の下に活動する戦士の集団となっております。

さらに、『The Warband of Bayl of many eyes』にはひねりが加えられています。エンパイアの善良な人民が知らず知らずのうちに暗黒神に祈りを捧げている例が、これまでいくつかの資料で示されておりました。一方今回の資料では、邪神の導きだと思われているが実は・・・、という例が示されているのです。

したがいまして、今回の追加資料が悪役のあり方に変化を付ける絶好の教材となることでしょう。手前は確信してございます。

『The Warband of Bayl of many eyes』にはもう一つ重要な内容がございます。クリーチャー強化テンプレートでございます。

これまで出版された最初の強化テンプレート集は、フォレスト・ゴブリンの部族を紹介する『Cluster Eye Tribe(百眼族)』となります。オークやゴブリンあるいは獣人といった・・・つまりその、なんと申しますか、さほど文明的ではない種族のNPCに適用する強化テンプレートでございますね。

例えば「族長」「呪術師」「戦士」などのテンプレートがございます。これらをルールブック記載のクリーチャーに適用すれば、熟練の冒険者たちの好敵手となる手強いNPCをすぐに用意することができるわけです。

二冊目の強化テンプレート集『Night Parade(百鬼夜行)』を用いれば、アンデッドを大いに強化できます。「屍王(Liche Lord)」テンプレートを用いることで、代表的な雑魚モンスターであるゾンビを長編キャンペーンのラスボスに相応しい強さにお引き立てすることさえ可能となるのです。

三冊目となります『The Warband of Bayl of many eyes』では、暗黒神ナーグルに仕え魔道を極めた英雄“多目の”バイル率いる戦集団を例に、ケイオス・ウォリアーが徒党を組んだ略奪団の例が紹介されてございます。さらにNPC強化データとして、「ケイオス・ウォリアー強化テンプレート(Chaos Warrior Advancement Templates)」が掲載されているのでございます。

強化テンプレートを使用していない“素の”ケイオス・ウォリアー、つまりルールブック334ページに掲載されているやつ、でさえ中々に手強い難敵となるものでございます。

強化なしの状態でさえ、シナリオの中ボスかそのレベルの悪役NPCでございますので、そんな輩に強化テンプレートを与えるとどんな恐ろしいことになるか・・・。

勘の良いそこのアナタならもうお察しかと存じます。ケイオス・ウォリアーを最大限強化する場合には「ケイオス・ロード(Chaos Lord)」テンプレートを用います。

左様、2版時代に“混沌の大魔将”と訳されていた最強レベルの悪役に相当するものでございます。手前が計算してみましたところ、能力値と技能そして異能を合わせた経験点換算で15000expを上回るほどの強化となっておりました。

ルールブック記載の一般的なオークを基に『Cluster eye Tribe』の「大族長」テンプレートを用いてオーク大族長を作成し、それぞれの強さを比較検討致しました。
能力値と技能の多くで「ケイオス・ロード」が「大族長」を上回っています。確かに異能の数では若干引けを取っていますが、ケイオス・ウォリアーには強力なクリーチャー特徴「猛者」がございますので有利は揺らぎません。まさしく最強レベルの悪役を作ることが出来るようになったのです。

ケイオス・ロードは近接攻撃の技能が100超で「猛者」の特徴を持っており、〈知識:戦争〉と〈指揮〉技能は歴戦の将軍を凌駕し、さらに戦場にいるだけで味方を強化する《戦場の指揮者》異能までお持ちになります。

さらに異能の数を増やしたいのであれば、『Enemy in Shadows COMPANION』に掲載のティーンチの烙印、『Sea of Claws』のコーンの烙印、そして今回『The Warband of Bayl of many eyes』で登場したナーグルの烙印をご活用ください。これらクリーチャー特徴のいずれかを付与すれば、数々の異能を追加する事が出来るようになりますので。

もう少し繊細な悪役がご入用でしたら、手前は「混沌の大妖術師」テンプレートをお勧め致します。これさえあれば、複数の公式シナリオで黒幕となっているエーグリム・ファン=ホルストマンのような大妖術師を量産できるようになります。

そこのアナタ!ケイオス・ロードと戦ってみたくありませんか?

・・・そうですか。

ではそこのGMのアナタ!シナリオにケイオス・ロードを登場させたいですよね!

追加設定集『The Warband of Bayl of many eyes』があれば、オールド・ワールド全土に災厄をもたらす究極の悪役を、GMであるアナタが作り出すことが出来るようになるのです。