無駄口を叩いて渡る世間に鬼瓦

映画について、深読みしたり邪推したり。時折、映画以外の話をすることもあります。

2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

映画館と観客の文化史

幾分大袈裟に過ぎるかもしれませんが、この本は従来の映画史を根底から覆しかねない一冊と申し上げてよいでしょう。 英国の作家ダグラス・アダムス氏によれば、文明はその発展段階に応じて典型的な三つの問いを発するそうです。最初は“いかに”、次に“なぜ”、…

フランダースの犬 あるいはハリウッドでは何故ハッピーエンドが望まれるのか

アメリカで実写版『フランダースの犬』が公開されたとき、ハッピーエンドに差し替えられていた、それどころか原作どおりのエンディングで公開された国はきわめて少数だった、という話は手前も以前から耳にしておりました。 アメリカ公開版を見たことがござい…