無駄口を叩いて渡る世間に鬼瓦

映画について、深読みしたり邪推したり。時折、映画以外の話をすることもあります。

市民ケーンと007、両方のモデルになった大富豪 その2

前回は、オーソン・ウェルズの映画に登場する新聞王ケーンの生涯について、モデルとなった実在の新聞王ハーストそっくりに作られている、と話しました。本日は、映画と実在の新聞王の人生で異なっているところから話を始めましょう。 新聞王ケーンが愛人を舞…

市民ケーンと007、両方のモデルになった大富豪

以前予告いたしました『市民ケーン』とスパイ映画『007』シリーズの共通点について話をしましょう。 オーソン・ウェルズ監督による『市民ケーン』は、従来の映画の技法を片っ端から詰め込み、ハリウッドの誇る不朽の名作に数えられています。 一方、こう…

ハクの本名の漢字表記を推定する。『千と千尋』について考えたこと。

ひとつ気が付いたことがありましたので、書き留めておきます。 先日、『千と千尋の神隠し』に登場する少年、ハクの正体は古事記・日本書紀にも登場する神、ニギハヤヒがモデルではないか、と記事を書きました。その件に関しまして、もう一つ。 最初は気にし…

千と千尋ともののけ姫とトトロについて その2

前回に続きまして、『もののけ姫』と『千と千尋の神隠し』の間で共通する題材について話を致します。 前回は『もののけ姫』には、神話に対する民俗学の解釈が使われている、と話しました。 古代史においては、鉄製の武器を持つ王朝によって各地の豪族が打ち…

千と千尋ともののけ姫とトトロについて

ひさし鰊(ぶり)の更新となりました、本日は、宮崎駿監督の大ヒット作『もののけ姫』と『千と千尋の神隠し』の間で共通する題材について、話を致しましょう。 その前に、ひとつ考えておきたいことがあります。『もののけ姫』はいつの時代を舞台にしているの…

チャーリーとチョコレート工場 その3

当ブログで『チャーリーとチョコレート工場』について話をいたしますのも、今回で3回目となりました。 以前述べましたとおり、『チャーリーとチョコレート工場』でジョニー・デップが演じたチョコレート工場の経営者ウィリー・ウォンカは、常にゴム手袋をし…

チャーリーとチョコレート工場 その2

前回に続きまして、『チャーリーとチョコレート工場』について話をいたします。今回は、ジョニー・デップが演じた天才発明家にしてチョコレート工場の経営者であるウィリー・ウォンカについて、前回とは別の視点から考えてみたいのです。 結論から申し上げま…

チャーリーとチョコレート工場

本日は、ティム・バートン監督による『チャーリーとチョコレート工場』について、今までの同監督の作品における共通点及び差異と比較して考えてみましょう。 この映画の主人公に該当する人物は二人おりまして、一人は子役のフレディ・ハイモア君が演じており…

『スーパーマン』のラストシーンについて

本日は、クリストファー・リーヴ主演の1978年版『スーパーマン』について話をいたします。 『スーパーマン』はDCコミックスから出版された漫画を原作にしており、アメリカン・コミック(アメコミ)映画化の代表例としても知られております。DCコミッ…

『チキ・チキ・バン・バン』

本日はミュージカル『チキ・チキ・バン・バン』について話をいたします。原作者は『007』シリーズでも知られるイアン・フレミング。映画本編を見た事がない人でも、「チキバンバン♪チキチキバンバン♪~」というテーマ曲はご存知でしょう。 自動車の排気音…

『ゴーストワールド』『アメリカン・スプレンダー』

本日は、『ゴーストワールド』と『アメリカン・スプレンダー』についての話をいたします。 この2本の映画は同じ素材で作られた話のように見えるのです。 『アメリカン・スプレンダー』は「代わり映えのしない日常にイライラしているさえない中年のレコード…

『ティム・バートンのコープスブライド』

本日は、『ティム・バートンのコープスブライド』について話をいたします。 主演がジョニー・デップ。ヒロインはヘレナ・ボナム・カーター。音楽はダニー・エルフマン。よっていつものティム・バートンの映画です。登場人物にはわからなくても観客には結末が…

『ジェヴォーダンの獣』について追記

先日お話いたしました、18世紀フランスでなぜかカンフーバトルが繰り広げられる『ジェヴォーダンの獣』について、一つ思い出しましたことがありましたので書き加えておきます。 考えてみますに、単に登場人物が武術の達人であるという以上のカンフー映画へ…

『ジェヴォーダンの獣』監督が参考にした日本のアニメ

本日は、クリストフ・ガンズ監督の『ジェヴォーダンの獣』についての話をいたします。18世紀フランスのジェヴォーダン地方で実際に起きた、謎の獣による住民殺害事件に題材をとっています。 で、わざわざ申し上げるまでもないことかもしれませんが、「この…